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国語のすすめ

  • 執筆者の写真: Shinichi Shimadera
    Shinichi Shimadera
  • 2022年4月27日
  • 読了時間: 2分

実は私は国語が苦手であった。読書感想文などは大嫌いで、夏休みの宿題に読書感想文がある時は当然最後の最後回しであった。しかし、今こうして様々な文章を書くことが好きになった。これを大器晩成というのだろうか、自分から成功しているというのはおこがましいが、今に至るまでの私の国語の苦労をお話しましょう。

息子たちを見てると、こどもでもやはり「かっこいいこと」は好きで、「格好悪いこと」は嫌いである。多分に漏れず私も小学生の時は「かっこよく」いたいと思っていた。おそらくそれは普通のことだと思う。


ところがある日の授業参観で発表した答えを後ろで見てたお母さんたちがクスクスと笑った。それがすごく嫌で、それから自信のあること以外は自分の思ったことを言うのに苦手意識が出るようになった。つまり算数みたいに答えが一つに決まるようなものは得意で、考えようによっては様々な答えがある国語は苦手という構図になってきた。今にして思えば、世の中答えが一つに決まらないことだらけだから、それを国語や道徳で教えていく、それが義務教育の到達目標であったのだろう。しかし、そんなことは小学生の時に分かるはずもなく、笑われた=間違い=格好悪い、と昔の私にはインプットされてしまった。


そんな私が文章を書けるようになったのは論文、特に英語論文を書くようになってからだと思う。しかもその原動力は「自分の主張を通す」ことであった。医学研究の世界は混とんとしている。はっきり言ってリアルタイムには何が正しいのか分からないことが多い。今のコロナワクチンもそうだが、現時点で分かっている情報から推測してある命題を証明することばかりである。私の博士論文もそうだが、誰も着目していないことを論じるには価値はあるが、その論拠となる事柄は信頼性がまだ十分ではないことが多かった。そんな時に「こういう切り口から物事を見れば、AはBであるといえる」という手法にたどり着き納得した。これが世の中なのだと。


そう思えば政治家の演説は嘘と真の表裏一体だとわかる。こどもの主張に耳を貸せるようにもなる。今にして思えば、あの時授業参観で「変なこと」を発表した小学生の私に、「その意見もありですね。でもどうしてそう思ったのですか」と尋ねてほしかった。実家の母は未だに言う、「あなたは国語が苦手だから」と。悔しいがそれが親かもしれない。


とにかく国語はすすめたい。世の中の選択肢の多さに早く気付いてほしいから。

 
 
 

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