子供好きと子供嫌い
- Shinichi Shimadera

- 9月28日
- 読了時間: 2分
更新日:10月13日
ドラマ「ガリレオ」の湯川先生は子供が嫌いという。なんでも、行動が予測不可能であるかららしい。
小児科医、小児外科医にも子供好きと子供嫌いがいる。子供好きは分かりやすいが、子供嫌いとはどういうことかと言えば、子供の病気が好きなんだという。
子供は病気そのものが大人と違う。癌や脳卒中、心疾患、生活習慣病は少なく、風邪や感染症、発達途中の異常、先天性疾患が多い。病気好きはその子供特有の特殊な病気を診断して治療するプロセスが好きなんだという。
話を少し戻して、子供の行動は予測不能というが、私は日々それを実感して、面白いと思っている。
「あ〜んする時、棒は入れないでください」
「鼻ブスッ(綿棒検査)はやらないでください」
「チックン(注射)はやらない!」
「何もやらない!」
と最初から条件をつける子は多いが、私は負けじと
「先生は何でも上手にするからね〜」
「失敗は何回まで許してくれる?」
などと言いながら、鼓舞したり、真剣交渉したりしている。子供のそういう生意気で身勝手なところも私は好きでたまらない。
予測不能かもしれないが、その分、引き出しを多く持っておかないといけないもの事実である。採血などの痛みを伴う処置の時はナースが準備している間に気持ちのお膳立てをしておいて、いつものポジション取りで抑え込みに入って、一気に終わらせる。そして、最後にごほうびを差し上げる。
子供嫌いは病気好きと最初に申し上げたが、病気を診断する時に、子供好きと子供嫌いでは取れるデータに差があるのではないかと密かに思っている。仏頂面していると子供はきっとストレスを感じるだろうし、そうして集めたデータはストレスの要素が多分に含まれている。だろう。
「好きこそ物の上手なれ」というように、子供好きは子供全体が好きであるから、特殊な病気の診断も治療も、採血も点滴も、手術も好きである。そのことに子供嫌いの人は気づかない気がする。
そんな、好き(スキ)ルを磨きたいと思う今日このごろである。

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