感染対策には時間がかかります。ただ単にアルコールで消毒するだけが感染対策ではありません。
今でこそ当たり前のように発熱外来は防護服を着て診療していますが、このコロナが始まった当初は「宇宙服」と揶揄されたものである。最も最初のテレビ報道は毒ガスマスクも装着して、まるで外界は全て汚染されていると言わんばかりの武装だったのを今も鮮明に思い出す。
感染症の専門家の岩田教授はクルーズ船での感染対策を酷評したことで有名だが、その最たるものはゾーン分けが出来ていなかったからだという。つまり防護服を着るレッドゾーン、防護服を着ないグリーンゾーンを明確に分けないといけない。しかし分けただけではダメで、その間を行き来する時にキチンと防護服その他の着脱が出来ないと結局汚染は広がるという。
着脱、つまり厳重に着込んだ「宇宙服」を
いかにして脱ぐかであるが、この着脱には一種の手順がある。難しいことは成書に譲るとして、そこにノウハウが詰まっていることだけはご理解頂きたい。
「一処置、一手袋、一手洗い」最後の手洗いは手指消毒に代わることが多いが、つまりは一日中何度も何度も消毒をするわけである。しかもそれは診察と診察の間の時間。その時間あなたは何をしますか?ホッと一息、お茶を飲んだり、トイレに行ったりしたいところであるが、それも防護服の着脱に時間を取られ消えていく。
私が定期的に出張する滋賀の病院ではこの着脱の場所に「ここは全集中」と書いてあった。診察に集中し、防護服の着脱にはさらに全集中、これがコロナ禍の診療の実態である。
しまでらメディカルクリニックの手指消毒用アルコールにはオレンジの香りがつけてある。柑橘系のアロマはリラックス効果があるからである。全集中の呼吸には心に余裕、つまりリラックスが必要であるからである。さぁ肩の力を抜いて、「withコロナ」乗り切りましょう。
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