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3分間診療の実態

執筆者の写真: Shinichi ShimaderaShinichi Shimadera

先日大変申し訳有りませんが3分間診療をせざるを得ない事態が発生しました。その日は1日の予約数が80名で、予約外の直接来院を合わせて午前中に70名、午後60名の合計130名の方が診療にみえました。午前の診察は9:00から12:30までなので、単純計算でも1人3分の診察時間でした。

当院の診療方針は感染症の方はドライブスルー、非感染の方は中の待合室で待機され、呼ばれて診察してお会計という流れです。ドライブスルーの方はオレンジの扉前で停まって、車から降りて、診察室へ入り、診察を受けて、場合により検査をして検査結果待ちをして結果を聞いてから、薬局へ回って頂きます。非感染の方は、例えばワクチンなら聴診して口開けて接種予定ワクチンを見せて説明してそれから作って接種の流れ。手術希望なら診察して、場合によりエコー検査して手術適応の説明をして手術の日程の説明をして受付に回す。これをそれぞれ1人3分ということになるから、どう考えても無理がある。もちろんそのことは患者さんもご承知おき頂いているはずであるが、やはり何人かは諦めて「今度にします」と帰られてしまった。大変申し訳有りませんでした。

午前診療は当然ながら約1時間超過した。実はその後定例のスタッフミーティングを開いた。議案は診療に関して問題点はないか、先月の来院者数はどうだったか、来月のワクチン予約数はどうか、お楽しみイベントは用意周到か、など皆空腹に耐えながらくたくたになりながら確認してきた。開院して1年が経過し、この1年間毎月ミーティングを開き、一挙手一投足を話し合ってきた。それが功を奏し、1日100人以上の患者さんを診察できるようになってきた。このスキルアップはひとえに来てくださる患者さんのおかげです。ありがとうございますと感謝の意を伝えるとともに、残念ながら途中で離脱され帰られた方にはご希望に添えず申し訳ありませんでしたという思いでいっぱいです。次回来院の時は何とかご希望に添えるよう努力いたします。

さらにもう一つ、その日はじめて診療に着いた新人スタッフがいました。その人にはきっとすごい世界に見えたと思います。車に例えるなら、時速100キロで走る高速道路を時速20キロの自転車で渡る、そんな世界だったように思います。心配いらないよ、皆1年前は新人だったのだからとその人には伝えたい。そして早く慣れてこの3分間診療を支えて頂きたい。医者一人では到底診療は出来ないのですから。

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