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マスクの効果は本当にあるのか?

  • 執筆者の写真: Shinichi Shimadera
    Shinichi Shimadera
  • 2022年5月10日
  • 読了時間: 3分

ここではマスク着用に一石を投じているが、まず最初に私自身はマスクには一定の感染予防効果があると思っていることを強調しておきたい。


今、室内遊戯場にいる。入口に感染対策として「アルコール手指消毒とマスク着用」とあった。今やこの二つの感染対策は当たり前になった。当たり前になってしまったことは別に苦ではないので、そこにとやかく議論するつもりはないが、いつも疑問に思うのは、正しいマスクの着用をしているのは半分くらいだということである。正しくないということは感染対策になっていないので、すなわち意味がないということになり、ここでの感染対策は、ほぼ手指消毒のみに等しいということになる。

鼻出しマスク、あごマスク、これらは正しいマスク着用ではないので、ノーマスクと同じである。マスクがズレて、正しい位置に直す時にマスクの前(外側)をつまんで上げるのもその度に手指消毒を行わない限り、指先から汚染が広がる要因になる。布マスク、冷感素材のマスク、オシャレマスクも機能的には不織布マスクに劣るから、やめた方がいい。

不適切なマスク着用では、大分の市議が鼻出しマスクで退場を命じられ、大学入試センター試験では鼻出しマスクの受験生が失格となった。にも関わらず、世間では大半の人が同じことをしている。先の二つの退場、失格事件は単なるデモンストレーションだったのか?


諸外国がマスクをどんどん辞める中で、日本だけは最後まで辞めないであろうと言われている。他人の目があるから、マスク警察に言われるから、同調圧力があるからなどの誤った正義感は法務省のホームページでも注意勧告文が発表されているが、そういった事情が背景にあり、日本人は右に習えに反れることを躊躇する。ならば逆手に取り、マスク警察こそ正しいマスク着用を厳しく取り締まってほしい。当たり前のようにマスク着用を強要するのならば。


さて件名の命題、マスクの効果は本当にあるのか、については私は「効果あり」と思っている。

人は不用意に手で顔を触るとされる。一説には1分間に10回以上とも。マスクはその行為をブロックしてくれる。手で顔を触らなければ、手から目鼻口に菌が入ることはなく、大方の感染症は防護できるからだ。あとは直接の飛沫感染をブロックする効果である。外科医はオペ中に口から飛ぶ唾液などの飛沫が創部に着くと清潔な術野が汚染されるとコロナ以前から知っている。ただウイルスは遥かに小さいからマスクの繊維などすり抜けていくとはいうものの、まずは唾液、呼気中の飛沫、エアロゾルに乗ってウイルスは多量にばら撒かれるわけなので、その大半をマスクでブロック出来るならばマスクはするに越したことはない。

それ以上のことは実はまだよく分かっていない。感染の成立には一定量のウイルスがまずは体内に入り、増えることである。次に免疫応答であるが、これには自然免疫と獲得免疫があり、詳しくは成書に譲るが、獲得免疫がワクチンによるものである。今ワクチンワクチンと世界が躍起になっているが、ワクチンが感染防御に及ぼす影響はほんの一部に過ぎない。感染予防のために他にするべきことは沢山ある。まず第一に手袋やマスクなどの防護具に加えて手指消毒、環境整備の要領を示した標準予防策であるが、そこにワクチンは含まれていない。そして、マスクや手袋の防護具はただ着用すれば良いというものではなく、着けるべき瞬間と外すべき瞬間をきちんと分けることも重要である。

総じて、正しい標準予防策を理解せずにマスクの効果を議論することは本末転倒であると私は思う。

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