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映画ラストマイルに思う

執筆者の写真: Shinichi ShimaderaShinichi Shimadera

先日久しぶりに映画を見てきた。基本的に私はドラマも含めて人が亡くなる話は見ないことにしている。しかし今回のはしっかり人が亡くなるのだが、それでも見ようと思ったのは家内に「ドラマアンナチュラルとMIU404」の融合だと誘われたからである。アンナチュラルはご存知のように石原さとみ演じる法医学者のドラマである。私は医師になる時、一時は法医学の道を考えたことがあった。人は生まれたら必ず死ぬ、その最後の姿を診断するのもまたよしと思ったことがあったからである。でもやっぱり血の通った、生きるエネルギーを感じる人を相手にしたいと思い、結果として今の科目を選択した。


人の生き様に感銘を受け、自分もこの様な人になりたいと思うことは多いが、人の死に様に感銘を受け、こんな死に方をしたいと思うことは滅多にない。


この映画はかなりのメッセージ性が込められていた。分かる人にしか分からない謎の落書きと行動。わかった時にはかなりの強いメッセージだが、それが本当にターゲットに届くのか?そのために人を殺めてしまったと自らの行為を悔いて死んで償うのは正しいのだろうか。俗に「死んで償え」と言わんばかりの死刑もきっと本当は間違いなんだろうと私は思う。

一回しかない人生、輪廻転生では3000年に一度しかなれない人間。その人生を誰と出会うか、誰の言葉を信頼して、誰と過ごすかで実は全てが変わってしまう。

生まれた時から自分の置かれている環境は決まっていて、体格も性格も全ては親譲り。人間は科学の目線で言えば過去世から続くその家系の遺伝子なるものを入れる入れ物に過ぎない。遺伝子が姿、形を決め、趣味、趣向、性格、運命まで支配するとなれば、それに抗い、恨む相手は単なる塩基配列に過ぎない。

人間は感情のある生き物である。日々の出来事に怒り、安堵し、時に涙する。

行間を読めとか、空気を読めとかよく言われるが、行間には何も書いてないし、空気には説明書きはない。それでもその目に見えないものにつき動かされ感動したり、怒ったりする。

我々人間の感情を揺り動かす本体は物質なのか。心とはどこにあるのか。

年始にミニ同窓会に行ってきた。同じ学舎で過ごした同い年の仲間との集いは30年以上続く。新幹線で来て参加する者もいる。おそらくきっとこの仲間との談笑が心地よいからなのだろう。その場に引き寄せる空気感の本体とは一体何なのでしょうか?

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