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インフルみなし陽性の心配

  • 執筆者の写真: Shinichi Shimadera
    Shinichi Shimadera
  • 2月13日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月21日

 インフルエンザB型が猛威を振るっています。みなし陽性をしない当院が言うのだから、間違いありません。

 普段診療をしていると様々な疑問に出会います。

1)周囲で流行っていないのにインフルエンザ陽性になった

2)発症後一晩経過しているのに検査で陰性、さらに翌日まで待ってようやく陽性になった

3)家族内にインフルエンザ陽性が出ているので、発熱後検査で陰性だが状況から陽性とみなして抗インフルエンザ薬をもらった

4)発熱したら保育園からインフルエンザ検査を指示された、などなど


 このうち3)がいわゆる「みなし陽性」ですが、当院では採用していません。その理由はただ一つ、みなし陽性が本当に陽性かどうか分からない状況で抗インフルエンザ薬を投与するのは危険だからです。

 抗インフルエンザ薬の注意書きには「異常行動が見られることがある」とあります。もちろんこの異常行動はインフルエンザウイルスそのものでも起きる可能性があるので一概に薬のせいではないかもですが、それでも危険な投薬は避けるべきです。「子供は病気では死なない、薬で死ぬ」というのは小児科医なら皆肝に銘じている言葉です。

 ではどうするのか。当院では発熱が朝なら約12時間待ってから検査、つまり午前中の診察に来られても解熱剤と対症療法のみで、コロナも含めてインフルエンザ検査そのものは夕方に再来で行います。それでも陰性の場合は翌日再検査を行います。それでも陰性なら陰性として判断して抗インフルエンザ薬は投与しません。

 それでは患者家族が納得しないのではないか?と言われるかもしれませんが、納得とは病気の確証を掴んで、医師患者ともにするもので、投薬が納得ではありません。ましてや医師が納得していないのに責任を持った処方はできないと思います。


 こんな事例がありました。

A)兄がインフルエンザA型陽性、弟がその後発熱するも検査で陰性、担当医はみなし陽性として抗インフルエンザ薬を処方、しかしその弟はその後1週間高熱がつづき、当院へ初診来院、検査でインフルエンザA型確定。すでに1週間前に抗インフルエンザ薬を使用しているので、追加で抗インフルエンザ薬は危険のため処方なし。

B)兄がインフルエンザB型陽性、幼稚園で蔓延、その同じ幼稚園へ通う妹が1週間後に発熱、抗原検査ではインフル陰性、翌日も熱が持続するのでSpotFire(多項目同時PCR検査)を行ってインフルエンザはABともに陰性、単なる鼻風邪ウイルスのみ陽性、抗インフルエンザ薬投与無しで経過観察して解熱。


 A)の事例は典型的なみなし陽性失敗例です。最初の発熱時はインフルエンザではなかったか他の熱源があったのか、その後の引き続く熱が本当のインフルエンザの熱だったのかは最初から当院で診ていないので不明ですが、みなし陽性で投薬した抗インフルエンザ薬は解熱の治療目標としては効いていなかったと言えます。

 B)の事例は兄妹ともに初診から当院で管理した症例です。家族さんとともに頭を悩ませ、最終的に兄だけインフルという結論になりましたが、家族内発症でも皆がインフルエンザではない確固たる証拠でした。


 当院はみなし陽性を作らないために検査は保険診療の範囲内で適切なタイミング、回数を案内しています。時には何度も来院を指示するかもしれませんが、お互い納得がいくまでどうかお付き合いください。

 ちなみにみなし陽性の一部が非インフルエンザとすると、今の学級閉鎖の発熱者はどのくらい本当のインフルエンザがいるのでしょうか、はなはだ疑問です。

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