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再診はありがたい

執筆者の写真: Shinichi ShimaderaShinichi Shimadera

「毎日すみません」と度々診察に来られる方がおられますが、クリニックとしては大歓迎です。というのも初日には診断のつかなかったことが、再診を重ねて正しい診断に至ることは多々あるというのが現実だからです。

例えばインフルエンザでは発熱からすぐに来院されると抗原検査は陰性に出ますので、「検査は明日しましょう」と言って初日は処方だけで済ませ、後日検査をすることもあります。「なんだ、あそこは検査もしてくれなかった」と言われるかもしれませんが、正しい検査のタイミングを守らないと偽陽性(本来陰性なのに陽性に出てしまうこと)、偽陰性(本来陽性なのに陰性に出てしまうこと)が増えるのは事実です。それをとにかく検査を受ければ診断に至ると勘違いされている方もおられ、「そういえばもっと前から熱っぽかった。体がだるかったけど熱は測ってない」と言われ検査をすると初日は陰性、翌日陽性となる場合もあります。やはり正しい診断には時間経過を待つ必要があったのでしょう。

また他には川崎病などでは初日は分からず、「3日以上高い熱が続いたら再診に来てください」と言って、その通り再診でこられた時に採血をして炎症反応が高く診断に至るということがあります。

他にも、「他院でコロナ、インフルは陰性で、風邪と言われたのですが、、、」という主訴で来られ、別の視点で診察すると、咽頭所見から溶連菌と診断がつくこともあります。これを初日から溶連菌の検査を受けていれば正しい診断がついたのかと言われると、それも違います。もちろん医師は問診、診察所見からある程度病名を絞って検査をします。無闇矢鱈(むやみやたら)と検査をすることは保険診療上は禁じられていますし、ましてや無症状の方に検査をすることは認められていません。1回の検査数はだいたい2項目までです。最近の流行は3種類、4種類と本当に多岐に渡っているので、何から検査すればいいか分からないもの事実ですが、医師の頭の中には第一の候補、第二の候補というのがありますので、体調不良が続く場合は再診をお願いします。

最近、処方を長めに下さいという方も時々おられますが、その方も状態に変化があれば再診に来てください。

子供さんの状態は日々変化します。些細なことでの受診、いわゆる「コンビニ受診」は私は大歓迎です。普段と違う症状を聞かせていただき、大事に至ってないか一緒に考えましょう。

ただし、「旅行するので抗生剤下さい」はご遠慮願いたいです。症状が出ていないことに対する未来の診断、処方は保険診療ではありませんので、ご注意ください。

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