top of page

診察の順番

執筆者の写真: Shinichi ShimaderaShinichi Shimadera

毎日これに悩まされているが、当院もようやくここまで来たのかという思いもある。患者さんの少ない時は予約の方はほぼ時間通り、直接来院の方も予約の間に割り込み、少ない待ち時間で診察ができる。

先日も朝9:00の時点で予約の方が5人、直接来院が5人ということがあり、誰からどの順番で診察をするのかを朝イチから議論しながら診療を進めていた。当然ながら医者は一人なので、9:00から一気に10人の方を診察できるはずもなく、待ち時間が発生してしまうのですが、皆さん同じ事情ですのでご容赦を願う日々です。

世の中に出ている予約システムには大きく分けて二つの方式がある。時間予約と順番予約である。多くの小児科が後者の方式を取っていて、診察の順番をネットあるいは電話で取るのだが、例えば診察順が30番だとすると、自分より前に29人いることは分かるが、自分の診察が一体何時になるのかはそのクリニックにより流れるスピードが違うので「1時間に約10人の診察が進みます」などの尺度が別に必要となる。医者は自分のペースで診察が可能で、途中で長い処置などが入ればその分時間は遅れるが決して順番が変わるわけではないので、クレームは少ないが患者さんは「一体自分はいつになるのだろう」という思いで待たないといけないことは事実である。これは人気のレストランなどで経験する思いと共通である。ただ唯一の欠点は二週間や一ヶ月先の予約ができない。出来たとしても〇〇時という指定ができない。クリニックによっては予約は前の日の夜22:00から開始という所もあり、前日夜に待ち構えないと早い順番は取れないということになる。

その点当院は時間予約を採用しており、日付と時間が指定できる。しかしその時間にぴったり診察ができるわけではないのでクレームが発生する確率は高いわけですが、それでも順番予約よりは時間の予測がつきやすいこと、好みの時間を選べること、かつ長期の予約も可能という点から時間予約を採用しています。 

さて、同時刻の受付ならばどの順番で診察をするのかですが、ここだけの話、当院の診察優先順位は1)予約時間、2)急病人、3)年齢、です。1)は予約よりも早く見えた方は少しお待たせすることがあります。2)は状態を見てトリアージです。高熱やけいれん、出血のある外傷などは命の面から優先とします。3)は年齢の若い順です。新生児は人混みを避けるべきなので早めに診察します。元気に走り回っている子を後回しとは決して思っていませんが、乳幼児のワクチンなどは接種後の観察時間も必要なので早めに済ませたいです。高齢者もこの原則で言えば後回しと取られかねませんが、持病のある方、複数の医療機関に受診の方も多いので、情報の整理をしながら、ゆっくりお話を聞きたいので気持ちとしては後に回って頂くこともあります。総じて、当院では予約順最優先ではなく、診療の内容を吟味して順番を決めています。発熱外来の診察も状況次第では非感染の診察よりも優先されて早く回ることもあります。これぞ医療の本質と考えており、医師、看護師、医療事務、すべての職種が診察内容を把握して診察順をご案内できるように日々努力しておりますので、ご理解ご協力お願いします。


閲覧数:2,093回0件のコメント

最新記事

すべて表示

しまでら体育会系クリニック

明けましておめでとう御座います。  開業してもうすぐ3年、おかげ様で日々多くの患者さんに来て頂けるクリニックになりました。 ドライブスルーでの診察、処方薬受け取りもすっかり馴染んできて、スムーズに診察が進むようになりました。それはスタッフのみならず、患者さんのご協力もあって...

健診での様子見は要注意

時々異常を指摘して紹介状を作成することがあるが、中には「うちの子大きな病気ですか?前回は様子を見ましょうと言われましたが」と申し出る親御さんがおられる。その真意が分からないが、どうやら今回も「様子を見ましょう」と言って欲しかったように感じることがある。

恩師の退任

数年前のこと、突然午後を休診にして東京時代の恩師の退任パーティに行ったことがありました。その先生は私が小児外科医を目指して初めてお世話になった専門施設国立小児病院(現国立成育医療センター)外科の上司、中野美和子先生でした。その当時から年齢不詳だったのですが、その時ようやく分...

Comments


  • Facebook
  • Twitter
  • LinkedIn
SMCロゴ.png

©2021 by Dr.しまでら診療室。Wix.com で作成されました。

bottom of page