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よく当たる占い師?

  • 執筆者の写真: Shinichi Shimadera
    Shinichi Shimadera
  • 2024年4月24日
  • 読了時間: 3分

 診察の場で抗原検査をする時に一度に2種類までが保険適応として認められている。なので発熱外来に来られた患者さんには、事前問診で「周りで何が流行ってますか?」とお聞きして、さらに診察所見を合わせて何が疑わしいかを厳選して2種類まで検査をする。検査は決して当てずっぽうではない。もちろん陰性確認の為の行為でもない。

 ただこの2種類の厳選が非常に難しく、「何も流行ってません」とか「色んなものが流行っています」と言われると、診察所見のみを頼りにターゲットを絞ることになる。

 そしてようよう検査をして陽性が判明するとほっとする。同じ発熱、倦怠感でもコロナのこともあればインフルエンザのこともある。咽頭発赤でも溶連菌のこともあればアデノのこともある。怪しいと思っても検査では何も証明されないこともあるし、時間経過を待てば陽性になることもある。なので、当院ではインフルエンザなどに関しては発熱後すぐには検査をしない。大体6-12時間は待ってから検査をする。

 さて、お膳立てを十分にしておき、陽性がポンポン出ると、あたかもよく当たる占い師みたいな気分になる。逆に陰性ばかり続く時は少し気分が落ち込む。あくまで検査は診察所見に基づいて診断の補助として行っており、決して当てずっぽうではない。ただ診察の裏側では、今回はコレ、次はきっとコレが出るよと言って検査をしてるので、陽性が続くと、「ほら言った通りでしょ」と気分が高揚するのは医療の場としては少し憚られる所ではあるが、やはり自分の見立ては正しかったと、よく当たる占い師みたいな気になる。

 さて、医師と占い師はどこが違うのだろうか。共に師のつく職業ではあり、人を教え諭す職業ということになるが、実際はどうだろう。某◯木数子さんが言ってた「あなた〇〇だわよ」はどこまで正しかったのか。そんなに断言できるほどの根拠があるのだろうか、あるいは見えていたのだろうか。根拠は何も科学的なものばかりではないが、再現性がなければ意味がない。言葉遊びではないが、裏が取れていれば「ウラあり」なので、「ウラない」ではなくなる。世にいう占いは「当たるも八卦当たらぬもの八卦」と言われるくらいだから根拠は乏しいことが多いから「師」のつく職業とはちょっと言い難い。

 医師、看護師、薬剤師、牧師、師匠はそれぞれの立場で人を正しく導く職であるから日々精進しないといけない。私の場合は、殊、病気においてはよく当たる占い師以上に当てないといけない。

また、天災、震災、災害の時も地球レベルでその意味を考えないといけない。その観点では、今回の新型コロナ感染症は一体何だったのか。それは「無常」を教えるものだったとも言われている。

では無常を感じて、次はどうするのが正しいのか。そんなことを日々考えている。

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