どうでもいいことかも知れないが、手術の時、「東素足の西靴下」である。
私は滋賀医大、国立小児病院、京都府立医科大学、草津総合病院と渡り歩いて、それぞれ手術室を経験したが、その中で1箇所、国立小児病院のみ手術室は裸足にサンダルであった。
最近、近くのレディースクリニックで帝王切開のお手伝いに入っているが、そこでの作法が裸足にサンダルであることで、ふと昔の東京時代を思い出した。
そういえば止血鉗子の種類にもお作法がある。これは小児外科に限ってかも知れないが、出血部位を止めるのに鉗子で挟む時、東京では直型を使い、京都では曲型を使う。曲がった形は手の延長と捉えて、組織を掴む時は手のひらを下にして掴む。一方で直型鉗子の場合は手のひらを上にして掴む。手術の第一歩の鉗子操作であるが、これにも病院、大学によってお作法が違う。それを見ればどこで下積みして来たかが分かる。
しまでらメディカルクリニックでは京都の方式でオペしている。
因みに先程「東京では」と言ったが、鉗子に関しては東京内でも多少お作法が違う。東京大学は曲、慶應大学は直、順天堂大学は曲である。患者さんにとってはどうでもいいことかも知れないが、医者にとってお作法は大事なのである。
今年私の学年同期が慶應大学小児外科の教授になった。先日その就任パーティに招かれて出席したのだが、慶應のお作法はどうだったかと思い出したところであった。
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