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「羅針盤」を読んで

執筆者の写真: Shinichi Shimadera
Shinichi Shimadera
7月1日
読了時間: 2分

 作者不明のとあるコラムにふと目をやった。小さな文章に感動したので記録を残しておくことにした。

<以下引用>

 今春、子どもが幼稚園に通い始めた。自由気ままな生活から規律ある生活に移行することに、またさまざまな準備に、忙殺されている。小さな存在が社会と少しずつかみ合っていくそのスタートに不安を覚えながらも、ようやくここまで来たかという親としての実感をかみしめている。

 人は勝手に大人になるのではない。それを痛感する3年半だった。「力でしつけ」たくはないと、極力子どもには物事の道理を説明して、説得を試みてきた。風呂に入りたがらず朝4時まで格闘したことも、絵本を読んだらご飯を食べるという約束を破られながら何十冊と読んだことも、一つ一つが積みあがっての現在である。

人は、人間は、そしてその技能や経験は、否、その存在自体が、換金できない財産である。さまざまなものが「お金」でカウントされてしまう世の中で、拝金主義がはびこる世の中で、お金の多寡だけが関心事の世の中で、儲かるかだけが価値のすべての社会で、それでもその根源的な物事の価値に、人間の価値に、人が育ってきた物語に、個々人が持つ物語に、気づき続けたいと思う。<引用ここまで>

 中学生の頃、新聞のコラムを切り抜いて要旨をまとめる練習をした。その時は文章、いや、文や単語そのものにだけ目をやり、その日の宿題を終えるのに必死だった。今は文を読むたびに、読みやすいとか、作者の背景とか同情とか、昔はなかった発想が湧き上がってくるようになった。以前のブログにも書いたが、私は昔は国語が嫌いでした。それはきっと答えが一つに決まらないから、と自分勝手に分析していた。それは間違い、勘違いであると今にして思う。私に足りなかったのは「経験値」だったのである。

 今は子育てを経験して、人生の辛酸も味わい、よい出会い(御縁)もあり、年を重ねて経験値が増えた。そこから湧き上がるエネルギーを人生の後輩に伝えたい。またこの作者にも伝えたい。「根源的な物事の価値、人間の価値」に気づいたならば、その先それを獲得し、人生の目標を達成しないといけない。お釈迦さんがそうおっしゃっているように。

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